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ホームページ制作費の勘定科目はどれになる?
ホームページにかかる制作費の勘定科目は、一般的には広告宣伝費となることが多いです。しかし、ホームページ制作にかかる費用は、細かく分類すると、広告宣伝費以外の勘定科目になる場合もあります。
そこでこの記事では、ホームページ制作費の勘定科目について、またECサイト制作費の勘定科目についても解説していきます。
ホームページ制作にかかった費用の勘定科目とは
ホームページは、会社やお店などを宣伝する目的で制作されるため、「広告宣伝費」として計上するのが一般的です。しかし、ホームページ制作に必要な費用を細かく分けた場合や補助金などを利用してホームページ制作を行った場合は、「広告宣伝費」以外の勘定科目になる場合もあります。
とまた、会計の処理は原則として1年単位で行いますが、ホームページは制作後も運用が続くため、ホームページの更新の頻度やホームページ制作のどの部分にかかった費用なのかによって勘定科目が異なってくる場合があります。
ホームページは運用管理にも費用がかかる!
ホームページは、ホームページを制作し、公開されればそれで終わりというわけではありません。むしろ、ホームページを公開した後の運用管理のほうが重要になってくると言えます。そこで、ホームページの運用管理にかかる費用にはどのようなものがあるのか、また費用によって勘定科目は異なるのか説明していきます。
サーバー費の勘定科目
ホームページの制作を検討する際に、「サーバー」という言葉を耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。サーバーとはホームページなどのwebサイトやサービスを提供している企業などが使用するIT機器のことを言います。サーバーには、ホームページを運用するために必要な情報が保存されていて、サーバーを通じてホームページが閲覧できる仕組みになっています。
サーバーは自社で購入するケースもあれば、レンタルするケースもあります。それらにかかる費用は、広告宣伝費として計上しても特に問題はありませんが、電話やインターネット使用料と同様に「通信費」として計上することもできます。
ドメイン取得費の勘定科目
ドメインとはインターネット上の住所のことで、利用者がホームページを閲覧できる状態にするためには、ドメインを取得する必要があります。
ドメインの取得費は「通信費」「広告宣伝費」「支払手数料」などで計上することができ、必ずこの勘定科目を使わなければいけないという決まりはありません。この3つの勘定科目であればどの勘定科目を使っても問題はありませんが、一度決めたら途中で変更しないようにしましょう。
SSL証明書取得費の勘定科目
SSLとは、Secure Sockets Layerの頭文字を取った言葉で、ホームページを閲覧しているユーザーが入力した内容を暗号化してデータを送信する仕組みのことです。
例えば、問い合わせページや、品物を販売できるようなサイトを制作した場合、SSLの対応がなければ、ホームページに書き込まれた内容や、入力したクレジットカード番号やパスワードを第三者が盗み見られてしまうリスクがあります。しかし、SSLによってブラウザとサーバー間の通信を暗号化しておくと、万が一データを盗み見されたとしても、入力された内容が暗号化されていることで解読が困難な状態になるため、悪意のある第三者から顧客が書き込んだ個人情報やクレジットカードの情報を守ることができるというものです。
SSL証明書取得の費用は少額であれば通信費として計上することもできますが、高額になる場合はソフトウェアとして資産計上して、減価償却することもできます。ホームページ制作費をソフトウェアとして減価償却する条件やメリットは、後程詳しく説明します。
運用保守費の勘定科目
前述の通り、ホームページはデータを作成して公開を行えば、そのまま何もしなくても良いというものではありません。ホームページから集客を期待するためには、古くなった情報は削除し、新しい情報を常に更新する必要があるためです。また、サーバーなどのメンテナンスも必要になります。これにかかる費用のことを運用保守費といい、勘定科目は「広告宣伝費」として計上するのが一般的です。
SEO対策にかかる費用の勘定科目
SEOはSearch Engine Optimizationの頭文字を取ったもので、日本語では検索エンジン最適化と呼ばれています。これは、Googleなどの検索エンジンから自社のホームページにたどり着く人を増やすための対策として必要になる費用です。
SEO対策は、ホームページへのアクセス数を増やすことを目的に行われるものなので、勘定科目は「広告宣伝費」で計上します。
ECサイト制作費の勘定科目はどれになる?
ECサイトとは、「Electronic Commerce」の頭文字を取った言葉で、日本語にすると「電子商取引」のことです。商品を販売することを目的にしたホームページのことをECサイトと呼びます。
ECサイトの制作費も勘定科目は「広告宣伝費」として計上できますが、会員登録機能やログイン機能、ショッピング機能などが搭載された高機能なECサイトの場合は「ソフトウェア」とみなされるため、無形固定資産として資産計上し、減価償却することもできます。
ECサイトをソフトウェアとして資産計上することで、その年の費用として一括計上せずに済み、業績に与える影響を最小限に抑えることができます。
ECサイトの減価償却期間
ECサイトの制作費は無形固定資産に該当にするため、法定耐用年数は5年で、減価償却費の計算方法は「定額法」を利用します。
定額法による減価償却は、資産額を法定耐用年数で割った金額を5年間計上します。例えば、ECサイトの制作費が100万円だった場合、法定耐用年数が5年なので100万円÷5年=20万円となり、減価償却費は20万円になります。
ECサイトの制作費を資産計上すれば、5年にわたり減価償却費として計上できるため、毎年の利益を抑えることで法人税を節税できるというメリットもあるでしょう。
ホームページ制作に補助金を利用した場合の勘定科目は?
Webサイト(ホームページ)制作費、ECサイト構築費として一定の要件を満たしている場合は「小規模事業者持続化補助金」などを利用することができ、ホームページやECサイトの制作費の一部を支援してもらうことができます。補助金を利用した部分のホームページの制作費の勘定科目は「雑収入」になります。
貸方 | 金額 | 借方 | 金額 |
---|---|---|---|
預金(普通) | 500,000円 | 雑収入 | 500,000円 |
ただし、補助金の入金が決算後になってしまう場合は、「未収入金」として計上し、補助金が入金となったときに改めて未収入金分の入金を計上します。
<決算前>
貸方 | 金額 | 借方 | 金額 |
---|---|---|---|
未収入金(補助金) | 500,000円 | 雑収入 | 500,000円 |
<決算後の補助金の入金時>
貸方 | 金額 | 借方 | 金額 |
---|---|---|---|
預金(普通) | 500,000円 | 雑収入 | 500,000円 |
ホームページ制作はコマーシャルアーツにご相談ください
ホームページの制作費は、基本的には広告宣伝費として計上することができます。ただし、決められた勘定科目がない費用もあるので、不明な点や疑問がある場合は税理士などの専門家に相談すると良いでしょう。
ホームページは、公開が終われば費用の発生がなくなるというものではなく、むしろ公開後の運用保守のほうが重要だと言えます。また、ECサイトなど制作費が高額なソフトウェアは資産計上できるため、減価償却を行うことで業績に与える影響を抑えることや、法人税の節税になるなどのメリットもあります。
コマーシャルアーツでは、顧客と直接コミュニケーションを取り、ご要望はもちろん、今後の課題や潜在的な問題を明確化して根本解決のための具体的なプランをお客様と一緒に創り上げることを最も大切にしております。効果的な宣伝ツールとなるホームページの制作やECサイト制作は、コマーシャルアーツにご相談ください。